Wisdom2.0 2018
Report
参加レポート
年を重ねる毎に進化し、登壇者も参加者もアップデートするクリエイティブな時空間

2018年2月23日、朝7時半からWisdom2.0の受付数十名のボランティアの前は既に行列で賑わっている。昨晩の前夜祭でいろいろな分科会がすでに行われ、ゆるやかな繋がりも感じる。そんな中、今年も3000人が集う巨大なヒルトンホテルの会議場では、受付の待ち時間もハープの生演奏があり、アインシュタインやガンジーの言葉がポスターで掲示されたり、インスピレーションあふれる時間がすでに始まっていることを知らせてくれる。

Wisdom2.0が毎年進化するとともに、主に3つのスペースでイベントが同時進行するようになった。1つめは20-30分の講演または対談が繰り広げられるメイン会場、2つめは登壇者へのQ&Aや2~3時間のミニワークショップが行われる分科会場、3つめは参加者が自由に会話をしたり休憩できるラウンジスペースだ。分科会スペースでは、瞑想やヨガなども行われる。
2日間、これらのスペースを自由に選択し、好みの過ごし方ができるようになっている。
参加者の間では、「今年は誰の講演を聴くか、人気の分科会はどれか」など情報交換が盛んだ。

まずは3000人収容のメイン会場で、Wisdom2.0創設者ソレン・ゴードハマーがシンプルに開会のあいさつ。自分のことは一切語らず、各国から参加した参加者の紹介を中心に、「参加者がメインキャスト」であることを印象付ける。

そこからTEDトーク形式で、繰り広げられる様々な登壇者の講演または対談。時には隣の参加者とのディスカッションも交え、テンポよく進行する。
世界的な科学者やビジネスリーダーに加え、今年は世界中でベストセラーとなった「片付けの魔法」の近藤麻理恵と、#MeTooムーブメントを起こしたタラナ・バークも加わり、世情を反映させる魅力的な講師陣だ。このあたりのキュレーションもソレン・ゴードハマーの直感と人脈によるところが大きい。マインドフルネスの一つの現れとしての物との対峙の仕方、そしてたった一人の勇気ある女性からいかに世界的ムーブメントが始まったか、彼女らの在り方と言動の一致の素晴らしさを感じる。

知恵熱が出そうになるのを感じて、ラウンジスペースで一息つく。瞑想するかのように一人でたたずむ人、他の参加者と会話に没頭する人、プロジェクトの打ち合わせらしき3~4人のグループ、などなど、思い思いの過ごし方でOK。遊び心ある装飾で、リラックスした雰囲気のなかにも、クリエイティブな空間。

先ほどまでメイン会場で登壇していた人も、ラウンジで気さくに参加者と談笑している。登壇者へのプロジェクトの打診や登壇の依頼もその場で行われる、このスピード感はさすがシリコンバレー仕込みだ。
そういえば、ジョン・カバット・ジンやチャディ・メン・タンは、ステージから降りたら、いち参加者としてずっと他の人の講演を聞いている。彼らにとっても、何かをアップデートする場のようだ。

今日のディナーは、Wisdom2.0で出会った人たちと集い、意見交換と懇親を図る予定。たくさんのアイデアや情報を、語り合うことによってより昇華させ、実際のプロジェクトへと実を結ばせたい。そして、私自身のあり方についても、あの登壇者の方々の勇気、謙虚さ、純粋な献身ぶりを学んでいきたい。

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