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【クロストーク】子育て・パパ・ママ/Wisdom2.0Japanスタッフ紹介

2020.09.11

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Wisdom2.0Japan当日に向けて、Keyにもなっている「コミュニティ」「繋がり」「場」について感じていただくべく、運営メンバーでのクロストークを企画しました。
今回のクロストークでは、荻野・寺島・桐林と共に、「子育て・パパ・ママ編」と題して、育児を通して感じ取った想いやエピソードについて、お話しいただきます。
(進行役:溝上 真璃)

 

<Topic1>子育て 乳幼児期の印象・エピソード

溝上:
お子さんが生まれ、実際に、子育てをし始めた乳幼児期のエピソードや育児の印象を教えてください。

寺島:
子どもが2人いて、1人目の出産後の2年間は、発展途上国で生活していたということもあり、お手伝いさんがいる環境でした。なので、いい想い出しかなく、可愛いなと(心から)思えていました。
ただ、帰国をきっかけに、家事から育児から全てが自分の方にのしかかって、「こんなに、大変なんだ!」と、子どもが2歳のときに知ったんですよね。幸い近くに実家があったため、両親に助けてもらい、乗り切ったという印象が上の子のときにはあります。
下の子のときは、その大変さは分かっていたものの、また海外で暮らしていたので、孤軍奮闘していました。4歳の上の子と、産まれたばかりの乳幼児がいるという状況が一番大変で、そのときに頼れる人がいないことが心細く、大変でした。

荻野:
そもそも感じているのは、子育てを2人や1人(両親やどちらかだけで)するというのは、すごく難しくて、それを現実になって(子どもが生まれて)よくわかりました。
なので、それを2人や1人でやり続けようとすると、疲れや対立が生まれてしまい、苦しみに変わってしまうということがあるんだという気づきは大きかったです。

あとは、独身の時やパートナーと2人だけのときは、「自分の時間は、自分でコントロールできるものだ。」とか、「それがタイムマネジメントであり、出来るビジネスパーソンのあるべき姿だ。」と思い込みがあると思います。
そもそも、自分の思うとおりに時間をコントロールしたり、状況をコントロールしようとしたりすること自体が思い込み、つまり大きなエゴで。そこに気づいたのが大きなシフトの一つでした。子育てはもちろん、世の中のものはコントロールできないし、子どもにしても、自然にしても、世の中の状況にしても、“自分がコントロールしようとしている。”と気づけたのは大きかったですね。

桐林:
子育てをしよう!と思ってから臨んだ中で、「理想の子育て」や「子育てはこういうものだ。」というのは頭に全く無くて、ただ邁進していったというところがあります。
生まれてからは、自分の時間や自分のやりたいことに時間を捧げられないとは思いましたが、それが大変とかつらいという想いはありませんでした。
その頃は週に1回、母が様子を見に来てくれていたことがサポートになっていたんだろうなぁと思います。

溝上:
理想や想像がなかったことで、子育てそのものをそのままに受け取れていたのかもしれないですね。

桐林:
そうですね。ただただ、赤ちゃんの変化や反応がおもしろかったです。

 

<Topic2>親としてのチャレンジ どう向き合った?どう捉えている?

溝上:
日々の子育ての中で、思うように子どもと向き合えないこともあるかと思います。
これまで、そのようなときにどのように乗り越え、どのように捉えているのか、想いやエピソードをお聞きしたいです。

寺島:
たくさん、ありすぎて(笑)
私自身が、どちらかというと心配症で真面目な性格なので、子どもにも理想像を、「これをしちゃいけない。」とか「こうあるべき。」というのを、知らないうちに押し付けていたと思います。
あとは、赤ちゃん(下の子)のお世話を優先し、上の子のニーズに答えられず、「自分でやってね。」と言ってしまったことがあって。いま振り返ると、本当にもったいないことをしたなと、人生の中での貴重な数年間に、きちんと向き合ってあげられなくて。
マインドフルネスやコンパッションを学んできた今、振り返ると、「あれはあれで、しょうがなかった。」と、子どもが育つのと同じ時間で、自分自身も母親として試行錯誤で成長している。子どもが6歳なら、私も母親6年目で。ミスがあっても、仕方がない。
17歳になった今からでも心のケアは間に合うかなぁと思っていて。失敗してしまったという親御さんも多いかと思いますが、子どもが何歳になってもフォローできると思っています。そのフォローに、いまは試行錯誤中です。

荻野:
親としてのチャレンジを乗り越えていないし、向き合ってはいますが、このチャレンジはずっと続くんだなと思っていて。自分が死ぬまで親子関係であるという意味では、チャレンジは続くし、自分自身の成長ではあるので。
今日も、お弁当の中身のことで、娘とやりとりがありまして(笑)
特に、朝は自分の思う段取りのとおりにしたいという考えがある中で、やりとりが発生したとき、自分自身の感情とどう向き合うのか。子どもと向き合いつつ、自分との感情とも向き合って、どう最適にいいコミュニケーションをするのかは、日々発生することなので。
でも、それが自分自身の学びに繋がり、いろんなことの学びを得ているのではと思っています。

桐林:
自分の正義を押し付けて、コントロールしないようにしようというのは、なるべく心掛けていました。なるべく対等に説明をし、一緒に選択をしていく。
昔、私が忙しいとき娘に「これ、やっていい?」と聞かれて、「イヤだ。」と応えたこともあります。なるべく善悪では話さず、いまの状態をきちんとオープンにして、どうするとお互いにとっていいかなと相談するようにしていました。
子育てというより、子育てに関わる周囲との関係性に悩んでいて、そのとき、マインドフルネスという考え方をもうすこし明確に知っていたら、対処の仕方が違ったかなぁと振り返って考えたりします。

溝上:
私は娘が2歳なので、危なくないようにという意味で、「これやっちゃ、ダメ。あれやっちゃ、ダメ。」と言いそうになる自分に気づくことが多いです。そのときは、自分自身の固定観念や価値観を押し付けないように、と試行錯誤しています。

寺島:
子どもが“(自分の)子ども”ではなく、対等な“人”なんだなと気づいて。
何歳であっても、小さな子どもであっても、人として尊敬されるべき、敬うべき存在なんだと考え方が変わって。それから自分が楽になり、関係性も良くなった気がしています。

 

<Topic3>子育てを振り返り、特に感じ入ること

溝上:
ここまで、様々なエピソードをお伺いしましたが、「いま、ここ」から改めて振り返ってみて、特に感じ入ること。あるいは、いま子育てに苦労していたり、大変だなぁという気持ちが先立ってしまったりする方に向けて、メッセージをいただきたいです。

寺島:
子育てを通して、自分のことがとてもよく分かって。
先程言ったように、私は心配性なんですが、子どもが遅刻しないように、何度も起こそうと必死になっている自分がいる。結局、行動のもとになっているのは私のエゴで。
遅刻して学校で怒られる子どもたちを想像するとつらいから、その気持ちを避けたいから、やっている。エゴを満たすためにやっていることに気づいてから、心配を手放せるようになりました。
子どもには(自分でやり遂げる)力があるんですよね。それを引き出してあげる役目なのであって、全部やってあげてしまうと、その力は眠ったまま。それに気づいたのは、一番の収穫だなと思っています。

桐林:
裕美子さんのお話を聞きながら、たくさんうなずいてしまいました。
自分がイラっとして怒りたくなる時は、自分のためなんですよね。母親としての自分がどうなのか、良妻賢母像に対したときに他者から責められたくない思いがあると、子どもを何とか言うことを聞かせようとして。子どもと関わるとき、常に「これは子どものために、やろうとしてるのかどうか。」ということは探ろうとしていました。
私の持論として、“親が大丈夫と安心しているほど、しっかりしていなくて。大丈夫だろうか?と心配しているよりは、ずっとしっかりしている。”というのがあります。いつも(子どもは)その中間の微妙なところにいるので、“目は離さず意識は向けて、手は出さない口は出さない”で、その隙間にいられるかが、努力のしどころだと思います。

荻野:
お2人の話を聞きながら、子育てにマインドフルネスは本当に必須だと思って。
2015年か16年のWisdom 2.0においてサブステージで、Mindful Parenting(マインドフルな子育て)というセッションもあって。戻ってきて、何度かそういうワークショップもやりました。
いかに、自分自身のことと子供のことを観察できるか。特に乳幼児期は、お母さん方は大変だと思うんですよね。実際は苦しみだけでなく喜びがたくさんあるわけじゃないですか。なのに、ついつい私達は、ネガティブなことや痛みにフォーカスしてしまう。

ジョン・カバット・ジン博士が作った「マインドフルネスストレス低減法」も、そこのアプローチとして、慢性的な痛みや疼痛において上手く注意を変えていきましょう。ということが成功してきました。
いかに気づいて、豊かなお子さんの表情にフォーカスできるだけで、子育てが豊かになると思います。
一人で抱え込むということをしないという気づきも大事だし、自分自身や周囲やお子さんに、観察して気づいていくことが必須なので、いずれ、子育てテーマでのプレイベントを行いたいですね。(※)
※8/30(日)プレイベント開催

溝上:
私達の「いま、ここ」もこの瞬間しかないですけど、子ども達の「いま、ここ」は本当にあっという間に成長して過ぎてしまう。
うっかりすると零れ落ちて行ってしまう、そのときの感覚や仕草をどうマインドフルに受け止めていくかは、子育てを満喫するのに大切なことですよね。

 

<最後に、みなさんへメッセージ>

荻野:
まさにいま、コロナ禍において時代が大きく変革していく中で、
時代の流れを読んでいく、見ていく、観察していく、っていう意味でもWisdomは必要になってくると思いますし、日常生活、つまり子育てにおいても、マインドフルネスやコンパッションに基づくWisdomというものは、ますます必須になっていく。
共通の価値観を持ち、日々真剣に過ごす。そんなコミュニティになればと思っていますので、Wisdom 2.0 Japanにぜひご参加ください。

寺島:
いま、世界的に起こっている状況を含め、周りで何が起きるかは私達にはコントロールできないので、それに翻弄されてストレスを溜めることが往々にしてあると思うんですが。私はマインドフルネスを知り、実践するようになって、どんな人でもその内側に自分を助ける力、すごい力が宿っているっていうことが分かった。
それについて、様々なWisdomをシェアしてくれるたくさんのスピーカーが集まる場というのは、どの人にとっても非常に役立つ場だと思っています。
同じような悩みや希望を持つ人が集って、その中での対話を通して、たくさんの気づきに変えられると思います。大袈裟でなく人生を変えるきっかけになると思うので、ぜひWisdom 2.0 Japanに多くの方が参加してもらえたら嬉しいです。

桐林:
「自分がどうであるか。」「自分の中にどういう気持ちがあって、何を考えているのか。」ということを知るのは、あらゆるものの土台、最初の一歩だと思うので、子育てや生活レベルのところから仕事に及ぶものまで、いろんなことに対して気づいていくって大事だなぁと思います。
自分だけで気づけるものと、そうじゃない視点が入ることでさらに気づくことがあるので、登壇者から聞いて気づくこと、参加者と対話やシェアを通して気づくこと、それらの様々な形をなるべく皆さんに体験していただけるように用意しています。
一緒に進んでいく仲間として、参加していただきたいです。

この他、クロストークの動画では、より詳しく「子育て・パパ・ママ」やWisdom 2.0 Japanへの想いを語っています。

ぜひ、動画もご覧ください。

Youtube動画/子育て・パパ・ママ
前編:https://youtu.be/dUmGDgk6kQY
後編:https://youtu.be/x8gXlpqmYko

参加メンバー:
荻野 淳也
桐林 千登勢
寺島 裕美子
溝上 真璃(進行役)